共同研究・競争的資金等の研究課題

1991年 - 1992年

細胞情報のイメージング技術の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業  試験研究(B)
  • 中西 守
  • ,
  • 伊藤 博康
  • ,
  • 森川 馨
  • ,
  • 藤田 昌彦
  • ,
  • 鈴木 和男
  • ,
  • 荒田 洋治

課題番号
03557099
体系的課題番号
JP03557099
配分額
(総額)
14,400,000円
(直接経費)
14,400,000円

細胞情報のイメージング技術の開発のため、本年度はまず、細胞内情報の光学的セクショニング法の開発を進めた。特に、ヘリウム・カドミウムレーザを光源とする共焦点紫外レーザ顕微鏡により、細胞内カルシウムイオン動態のイメージングにおける種々の問題点を検討し解決した。そして、iodo-1を用いたカルシウムイオンの2波長蛍光画比の測定を可能にし、単一細胞でのカルシウムイオン濃度の共焦点画像の観察を行った。その結果、1)リンパ球や好塩基球の抗原刺激に伴い、カルシウムシグナルが細胞質だけでなく核にまで伝達されること、2)抗原刺激後、カルシウムイオン濃度は細胞質よりも核でより大きく上昇することが明らかになった。また、Hoechst33342とTMA-DPHを用いた核と細胞膜のイメジング技術を確立し、核へのカルシウムシグナルと細胞周期、ならびに、プログラム細胞死(アポトーシス)との相関をイメージング法により追究する技術を開発した。一方では、新規蛍光試薬の開発にも取り組み、蛍光性分子ロータを用いた細胞骨格蛋白質の動態を追究する新技術を開発した。そして、アレルギー反応の初期過程での細胞膜から核へのインフォメーションフローの実体をイメージング法により追究する技術を確立した。また、超高速画像処理技術の開発のためには、まず、高速マイクロマニュピュレーション技術と共焦点技術とを組み合わせた測定技術の開発に成功した。ついで、共焦点レーザ顕微鏡によるライン走査の技術の確立について検討した。ライン走査法により、細胞内局所部位でのミリ秒の反応速度の違いを追究できることを示した。ただ、ライン走査の場合、短時間に何度も特定の部位の共焦点画像の測定をレーザ照射により行うため、レーザによる光反応の影響が心配された。そこで、レーザの出力に対しても検討を加え、ライン走査によるミリ秒での細胞情報のイメージング技術の開発にも成功した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-03557099
ID情報
  • 課題番号 : 03557099
  • 体系的課題番号 : JP03557099