講演・口頭発表等

国際会議
2012年11月3日

Kiyozawa Manshi and His Criticism toward the Twofold Truth Theory

国際シンポジウム「国家アイデンティティと宗教」
  • 鈴村裕輔

記述言語
英語
会議種別
口頭発表(一般)
主催者
法政大学国際日本学研究所, フランス国立科学研究学院東アジア文明研究所, ストラスブール大学現代言語学部日本語学科, アルザス欧州日本学研究所
開催地
アルザス欧州日本学研究所

本発表は、清沢満之(1863-1903)が行った、浄土真宗における真俗二諦論に対する批判の詳細を検討することを目的とする。真俗二諦論は現世と来世にそれぞれ異なる真理が存在することを認め、日常生活においては現世の真理に従うことを勧める教説である。この理論は、信者の日常生活と信仰との間の均衡を保つための懸命の手段であるものの、しばしば国家の政策に従属するための証拠として用いられる。教育者であるとともに浄土真宗の近代化の主唱者でもあった清沢は、真俗二諦論を批判した。すなわち、浄土真宗において一般的に言われているように現世と来世とで異なる真理が存在するのではなく、現世における真理の終焉が来世における真理の始まりであると唱え、真俗二諦論が国家の政策に協力するための証拠となり得るという見方を否定した。この議論によって、清沢は、現世を超え出た価値の存在を認めるための基底を提供したのであった。

リンク情報
URL
http://hijas.hosei.ac.jp/tabid/1091/Default.aspx