論文

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2018年3月

石橋湛山における「小日本主義」の意味――「思考の合理性」と「国益の増進」の観点から

石橋湛山研究
  • 鈴村裕輔

1
開始ページ
23
終了ページ
42
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(大学,研究機関等紀要)

日本の拡張主義と保護主義を経済的自由主義と国際協調主義の立場から経済専門誌『東洋経済新報』で批判した石橋湛山(1884-1973)は、1910年代から1930年代にかけての日本の針路について種々の提言を行った。<br />
本論文は、経験主義とプラグマティズム及び平和主義、国際協調、反帝国主義の2つの観点から石橋湛山の議論を検討することを目的とする。さらに、石橋の合理的態度の実相と帰結を、国益への寄与を目的とする議論としての「小日本主義」に基づいて考察する。<br />
その結果、われわれは、石橋が日本の国益を損なうことなく列強と対峙するために適切であると考えたために経済的自由主義ないし国際協調を擁護したことを明らかにした。同時に、石橋の行動や議論、さらに石橋の代表的な主張である「小日本主義」の考えが合理性の重視の結果であることも明らかとなった。こうしたことは、短期的な利益や表面的な事象を求めるのではなく、国益を増進させ、対象の背後に存する本質を究明しようとする石橋の態度の現れであることを示しているのである。

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