論文

査読有り
2020年3月20日

斎藤隆夫と石橋湛山--政党政治の擁護を巡る協力の可能性

石橋湛山研究
  • 鈴村裕輔

3
開始ページ
85
終了ページ
108
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(大学,研究機関等紀要)
出版者・発行元
立正大学石橋湛山研究センター

斎藤隆夫は大正時代から昭和20年代前半にかけて活動した議会政治家であり、1936(昭和11)年に政府の2・26事件への対応と軍部の政治への関与を批判した「粛軍に関する質問演説」と日中戦争に関する政府の姿勢を批判した1940(昭和15)年の「支那事変処理に関する質問演説」で知られる。その一方で、斎藤が「粛軍に関する質問演説」の半年後の1936年11月に時事新報の特集「議会政治の本道」に寄稿した3本の論考については、これまで具体的な検討がなされてこなかった。
そこで、本論では、「議会政治の本道」に掲載された3編の論考を検討することで、斎藤による軍部による政治への介入を批判する議論の論理構造と国民への信頼のあり方を考察した。また、言論界において議会政治と政党支持を擁護した石橋湛山が斎藤を取り上げた議論を検討することで、両者の関係を検討した。これにより、斎藤が大日本帝国憲法の規定と実際の運用の面から議会政治を擁護するとともに、一人ひとりの国民こそが軍部による政治への介入を最も効果的に阻止すると考えていたことが明らかになった。また、直接の交流のなかった斎藤と石橋との間に、実質的な協力関係が認められることが示唆された。

エクスポート
BibTeX RIS