共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

睡眠時のエネルギー代謝における個人差の要因および生活習慣病との関連

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H04120
体系的課題番号
JP20H04120
配分額
(総額)
17,940,000円
(直接経費)
13,800,000円
(間接経費)
4,140,000円

私たちの多くは、夜間にまとめて長時間の睡眠をとる単相性睡眠という行動様式をとっており、夕食から翌日の朝食までの睡眠時間を含めた半日を絶食で過ごし、残りの半日で1日分のエネルギーを摂取する。昼と夜とでエネルギー代謝の様相が一変するので、これに上手に対処する能力が「代謝の柔軟性」として最近注目を集めている。本研究では、これまでに申請者らが集積した延べ127名の非肥満の健常人のエネルギー代謝データを検討し、その個人差が(代謝的な柔軟性の違い、加齢の影響や男女差)睡眠中に顕在化することを明らかにした。肥満していない健康な人では、食事の摂取に伴う血糖の上昇やその後のインスリン分泌の影響が強く、代謝の柔軟性の個人差が昼間には隠されてしまう可能性が考えられる。このことは、睡眠時に顕在化する代謝の柔軟性が低下が、肥満や糖尿病等のメタボリックシンドロームへ発症の予兆あるいは原因である可能性を示唆するものと考えている。エネルギー代謝測定時に蛋白質の異化を測定するために尿中窒素排泄を測定してきたが、本研究では尿中のメタボローム解析に着手し、エネルギー代謝の柔軟性とアシルカルニチンの尿中排泄が関連することを示唆する実験結果を得た。また、睡眠時エネルギー代謝に影響を及ぼす因子の一つとして、就寝前の照明環境の違いの影響について検討して研究成果を発表した。
エネルギー代謝測定結果とその関連データ(被験者の特性、エネルギー代謝、体温、睡眠脳波など)のデータベース化についてはSQL言語を用いてデータベース化を開始した。このデータベースを更に拡充することを目的として、これまでにエネルギー代謝研究を進めてきた他の研究グループとの打ち合わせを開始してこの可能性の検討を開始した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H04120
ID情報
  • 課題番号 : 20H04120
  • 体系的課題番号 : JP20H04120