共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

ワークファミリーバランスを高める保育と地域・職域保健の連携・支援システムの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K11088
体系的課題番号
JP20K11088
配分額
(総額)
3,380,000円
(直接経費)
2,600,000円
(間接経費)
780,000円

ワーク・ファミリーバランス(WFB)における親支援の実態調査について、COVID-19の感染再拡大による度重なる緊急事態宣言の発令で調整が難航したが、調査方法をフォーカスグループインタビューから個別インタビューに変更し、所属機関の研究倫理委員会の承認を得て、地域保健分野の保健師、保育園保育士、保育園通園中の親へのインタビュー調査を実施することができた。現在、そのデータを元にWFBにおける親支援の実態の分析および有効なサポート方法の検討を行っている。
また、ふたり親と比較してより多重役割を担うと想定されるひとり親のWLB/WFBについて検討するため、「子育て期のひとり親が抱えるワーク・ライフ・バランスの課題と支援に関する文献検討」を行った。医中誌web版を用いて「ひとり親」「母子家庭」「父子家庭」「ワーク・ライフ・バランス」「支援」をキーワードとして2008年から2020年12月までの最新の13年間の国内文献14編を精読した。結果は、1)父子家庭では伝統的性別役割分業に関連した【家事の困難】や育児の不安がWLB上の課題となっていた。2)母子家庭では賃金の低さに起因した【仕事過重】による子育てへの影響の課題があり、親自身の負担軽減や母親を中心とした家族の再構築を後押しする支援の方向性が示された。3)父子家庭、母子家庭の共通の課題では、【WLBのジレンマ】【子どもへの影響と子育て不安】【支援への繋がりにくさ】【孤立・交流の少なさ】などがあり、身内以外の他者との交流、多様な支援体制の構築、関係機関同士の連携をはかるなど支援体制の確立が求められていることがわかった。
上記の文献検討の結果および実態調査の分析を踏まえ、今後は子育て期の親のWFBにおける課題の抽出をさらに進め、有効なサポート方法の開発を行っていく予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K11088
ID情報
  • 課題番号 : 20K11088
  • 体系的課題番号 : JP20K11088