共同研究・競争的資金等の研究課題

2004年 - 2005年

血清中の癌特異的遺伝子異常及びプロテオミクスを利用した新しい肺癌再発予測法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
16790796
体系的課題番号
JP16790796
配分額
(総額)
3,400,000円
(直接経費)
3,400,000円

1)methylation-specific PCR(MS-PCR)法の検出感度についての検討
方法:陽性コントロールの希釈系列を作成しp16遺伝子プロモーター領域のprimerを用いてMS-PCRをおこなった。
結果:MS-PCR法はnested PCRとすることによって陽性コントロールの10^<-5>以上の検出感度にすることが可能であった。
2)原発巣腫瘍組織におけるメチル化の検出
対象・方法:連続的に切除された非小細胞肺癌83例の凍結保存された正常肺、腫瘍からそれぞれDNAを抽出し、sodium bisulfite処理を加えた後、MS-PCR法を試みた。
結果:腫瘍組織におけるプロモーター領域のメチル化は83例中39例(47%)に認められた。
3)血清中からのメチル化DNAの検出
対象・方法:原発巣腫瘍組織においてメチル化が認められた39例を対象とした。それぞれの症例の血清中からDNAを抽出して同様にsodium bisulfite処理を加えた後、MS-PCR法を試みた。
結果:39例中14例(36%)において血清中から腫瘍組織と同様のメチル化DNAが検出された。
4)血清中からメチル化DNAが検出された症例の予後、臨床病理学的因子の検討
結果:血清中のメチル化DNA陽性14症例と陰性25症例の間で喫煙、病理病期、組織型、分化度などの臨床病理学的因子の違いの有無を検討したが、陽性症例はCEAが高値であった。再発は陽性6例(42.8%)と陰性4例(16%)に認め、また遠隔転移を陽性4例(28.6%)、陰性1例(4%)に認めた。
5)まとめ・今後
メチル化DNAを指標としたnested MS-PCR法は簡便であり、且つ検出感度も高かった。血清中からメチル化DNAが検出された症例はCEAが高く、再発・遠隔転移が多い傾向を認めた。今後は更に多種類の遺伝子での検索を検討したい。また血清蛋白での検索は更なる検討が必要である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16790796
ID情報
  • 課題番号 : 16790796
  • 体系的課題番号 : JP16790796