2016年9月
ミトコンドリア置換における「3人の遺伝的親」の問題についての生命倫理学的考察
生命倫理
- 巻
- 26
- 号
- 1
- 開始ページ
- 124
- 終了ページ
- 133
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.20593/jabedit.26.1_124
- 出版者・発行元
- 日本生命倫理学会
<p> 2015年2 月に英国は世界で初めてミトコンドリア病の患者の卵子や受精卵に対するミトコンドリア置換の技術の利用を認める法律を可決した。この技術が今後わが国でも利用の許可が求められていく可能性がある。そこで、ミトコンドリア置換の倫理的側面について先行研究の論点を整理したうえで、この技術に特異な生命倫理学上の問題として「3 人の遺伝的親」を持つ子どもを誕生させることをめぐる議論について検討し、若干の考察を加えた。結論としては、ミトコンドリア置換に対しては、1)安全性の問題、2)さらなる応用につながるとの懸念、3)生まれてくる児の同一性の問題、4)「3 人の遺伝的親」の問題の4点が挙げられた。4)については、さらに、ミトコンドリア置換は本当に「3 人の遺伝的親」を誕生させることになるのかという点と、3 人の遺伝的親」を持つ子どもを誕生させること自体に倫理的な問題はあるのかという点について検討した。</p>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.20593/jabedit.26.1_124
- CiNii Articles ID : 130006107955