MISC

2018年5月

僧帽弁閉鎖不全症における経食道心エコー3D解析を用いた僧帽弁形態の評価

帝京医学雑誌
  • 中川 かおり
  • 尾澤 直美
  • 陳 軒
  • 池田 司
  • 原田 忠宜
  • 太田 浩雄
  • 冨田 剛志
  • 西村 健二
  • 今水流 智浩
  • 飯田 充
  • 下川 智樹
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41
3
開始ページ
101
終了ページ
111
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
帝京大学医学部

背景・目的:超音波装置などの著しい技術の進歩により、経食道心エコーの3D画質が向上し、複雑な僧帽弁形態の把握も可能となった。僧帽弁閉鎖不全症(MR)患者の術前経食道心エコーを3D解析し、病因ごとの形態学的な特徴の相違を調べた。対象・方法:2013年1月から2015年12月までの間に、中等度以上のMRに対して手術を行い、術前に経食道3D心エコーを施行した114例を対象とした。MRの病因分類にはCarpentier分類を用い、弁尖運動正常(I型)、弁尖逸脱(II型)、弁尖可動制限(III型)とし、さらにIII型を弁尖収縮(IIIa型)と弁下組織の偏移(IIIb型)とに分類した。各群間の経食道心エコー3D解析測定値を比較した。結果:弁周囲長はI型と比較し、II型で有意に大きかった(I型116.8±15.3mm、II型127.9±15.6mm、p=0.02)。横/縦比はどの群においても差がなく、横長の楕円形を保持していた。前尖長はI型と比較し、IIIb型で有意に長かった(I型22.6±4.4mm、IIIb型26.4±5.0mm、p=0.04)。結論:弁尖逸脱によるMRをきたすII型でも弁輪は拡大した。IIIb型で前尖長が延長することが示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0387-5547
  • 医中誌Web ID : 2018286668

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