共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

脳刺激型補聴器の実現に向けた、時間変化する複雑音の脳内符号化機構の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H04212
体系的課題番号
JP19H04212
配分額
(総額)
17,160,000円
(直接経費)
13,200,000円
(間接経費)
3,960,000円

本年度は以下の実験を行った。
実験1:聴覚野の純音刺激に対する応答をフラビンイメージングによって可視化する方法を確立した。これによって同定した聴覚野サブ領域にretrograde AAV-Cre、内側膝状体にAAV9-FLEX-TVA-deltaG-GFPとEnvA-rabies-mCherryを注入することで、下丘⇒内側膝状体⇒聴覚野という2シナプス経路を可視化する実験系を確立した。現在25匹のデータを収集するに至った。
実験2:覚醒状態のVGAT-ChR2マウスからの細胞種同定電気記録を進めた。その結果、麻酔下における活動特性に比べて高い自発発火を下丘ニューロンが持つことが明らかとなった。また、麻酔下に比べて興奮性ニューロン、抑制性ニューロンともに低い閾値で音反応を示した。これらの結果から麻酔が下丘ニューロンの活動に大きな影響を与えることが判明したことから、BMI応用を射程に入れた実験における覚醒状態での活動パターンを解析の重要性が明らかとなった。
実験3および4:これまでに頭部固定状態のラットに対して,音刺激提示時のレバー引け行動に報酬を与えるオペラント学習の実験手法を確立してきた.このオペラント実験を利用して,内側膝状体の電気刺激が,聴知覚を生成することを動物実験で確かめた.40 μAの電流パルスを500 msに50回印加したところ,知覚を報告するレバー引き行動を認めた.このとき聴覚野の神経活動は,緩やかに増加した.これらの行動・生理反応は,10 μAの電流パルスでは認められなかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H04212
ID情報
  • 課題番号 : 19H04212
  • 体系的課題番号 : JP19H04212