2018年12月
当科における腹腔鏡下広汎子宮全摘術の後方視的検討
石川産科婦人科学会雑誌
- 巻
- 号
- 7
- 開始ページ
- 10
- 終了ページ
- 13
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 石川産科婦人科学会
2016年2月から2018年3月に早期子宮頸癌に対して先進医療にて腹腔鏡下広汎子宮全摘術(Laparoscopic Radical Hysterectomy:以下LRH)を施行した10例を後方視的に検討した。臨床進行期はIA2期2例IB1期8例、組織型は扁平上皮癌6例、腺癌4例であった。全例で腹腔鏡手術を完遂し、開腹への移行例はなかった。手術時間は471.5±155.6分、術中出血量は146±125mlだった。摘出リンパ節数は33.4±7.4個、術中・術後のJCOG術後合併症基準グレード3以上の合併症は認めなかった。術後に自己導尿を4例に要したが、3例は軽快した。術後補助療法を2例に要し、うち1例が照射野内再発を認めた。2014年1月から2017年9月に早期子宮頸癌に対する開腹での広汎予宮全摘術(Abdominal Radical Hysterectomy:以下ARH)を施行した14例と比べ患者背景や手術時間、摘出リンパ節数、自尿確立、再発率には有意差を認めなかったが、術中出血量に有意差を認めた(ARH:790.7±436.0ml、P<O.01)。当科でのLRHはARHと同等の臨床成績で、かつより少ない術中出血量で施行されていることが示された。(著者抄録)
- ID情報
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- 医中誌Web ID : 2019315386