2015年3月25日
難治性リンパ嚢胞に対し腹腔鏡下リンパ嚢胞開窓術が奏効した1例
富山県立中央病院医学雑誌
- 巻
- 38
- 号
- 1-2
- 開始ページ
- 44‐47
- 終了ページ
- 47
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 富山県立中央病院
【はじめに】リンパ嚢胞は後腹膜リンパ節郭清術後に時折認められる合併症であるが外科的処置を必要とするものは稀である。腹腔鏡下リンパ嚢胞開窓術(laparoscopic lymphocele fenestration:LLF)は泌尿器科領域において腎移植手術後のリンパ嚢胞にしばしば行われる術式であるが、婦人科領域では報告が少ない。今回、難治性のリンパの嚢胞に対しLLFを施行したところ著明な改善を認めた一例を経験した【症例】45歳。未経産婦。子宮頸部腺癌FIGO I b1に対し腹腔鏡下広汎子宮全摘術、骨盤内リンパ節郭清術を施行した。術後、下腹部痛・下腿浮腫・水腎症を伴うリンパ嚢胞を認め、4度の穿刺吸引ドレナージ行うも再発を繰り返すため術後128日目にLLFを行った。術後、下腹部痛・下腿浮腫・水腎症の改善を認めた。【おわりに】本法は難治性のリンパ嚢胞に対し有効であり婦人科領域での症例の蓄積が望まれる。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0386-8338
- 医中誌Web ID : 2015207951
- J-Global ID : 201502215829533703