共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2020年3月

ヒトの生理的指標変化が主観的末梢感覚に及ぼす影響

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
18K17909
体系的課題番号
JP18K17909
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

痛み感覚など主観的末梢感覚は身体にとっての障害を知らせる防御機構であり、これらの情報を元にして反射運動などの不随意運動が起こる。末梢受容器由来の感覚入力の情報伝達に関する電気生理学な経路は明らかにされているが、電気生理学的現象とヒトの主観的感覚の関係については不明な点が多い。本研究は、ヒトの主観的末梢感覚に及ぼす運動出力調節(研究課題1)と自律神経系調節(研究課題2)の影響について明らかにすることを目的とした。研究課題1は運動出力時における主観的末梢感覚、誘発筋電図、体性感覚誘発電位について検討した。
被験者は健康な成人男性8名であった。等尺性最大筋力の20%の目標張力を維持するピンチ動作を行わせ、その際の主観的末梢感覚、誘発筋電図F波、体性感覚誘発電位を測定した。測定条件は、力発揮動作を右手で行う条件(右条件)、左手で行う条件(左条件)、筋収縮を行わない条件(対照条件)とした。主観的末梢感覚、誘発筋電図は右手を測定側とし、記録・導出した。体性感覚誘発電位は右手の感覚領域から記録・導出した。
研究課題1では、最大下の力発揮時において、主観的末梢感覚が右条件、左条件ともに対照条件と比較して低下した。誘発筋電図F波は右条件において出現頻度が増加した。体性感覚誘発電位N20成分は全ての条件において変化がみられなかった。骨格筋収縮時において主観的末梢感覚が鈍化することが明らかになったが、この現象と脊髄の興奮性変化、感覚入力変化との関連性は少ないことが示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K17909
ID情報
  • 課題番号 : 18K17909
  • 体系的課題番号 : JP18K17909