本研究の目的は，シミュレーション教育のプログラムの開発のために，認知症高齢者への対応時の困難な場面を把握することである．グループホーム・小規模多機能型居宅介護の介護及び看護職員12名にフォーカスグループインタビューを実施し，認知症高齢者への対応で困難に感じた場面を抽出し，分析を行った．困難場面として，食事・入浴・排泄拒否の場面や，暴言・暴力などが挙げられた．困難の要因・背景として日常生活場面への関わりが多いがコミュニケーションが上手くはかれないなどが考えられた．これらの背景を踏まえたシナリオ教材作成の必要性が示唆された．