共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

コミュニケーションにおける思考力の基盤:スカラー含意からの検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K03375
体系的課題番号
JP20K03375
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究は、コミュニケーションにおける思考力の基盤を探るために、スカラー含意からの検討を行う。スカラー含意とは、関連する語意味の間にスケールを想定し、人はある意図を伝えるために適切な語を選ぶということを前提とした意図推論である。
R3年度の研究A「文脈情報と情報取得における特徴が発話意図推測に寄与するのかを調べる」の進捗に関しては、発話される状況において、指示される対象が何かしらの意図をくみ取れる場合において、一部のみを対象とするような解釈が成人において観察された(JSLS2021で発表)。また、知覚的な手がかりを組み合わせて、指示する対象のグルーピングを操作するような予備実験を行った。指示される対象のグルーピングの複雑さが増えるほど、言われていないことを想定するような解釈は観察されず、指示された対象が全体であるという単純な推論に基づく回答を行っていたことが観察された(日本認知科学会第38回大会で発表)。
R3年度の研究B「文構造とスカラー含意が発話意図推測にどのように寄与するのかを調べる。」の進捗に関しては、昨年度で得た予備実験のデータに加え実験を行い、解析を行った。「花があります」のような単文においても、「花を持っている人がいます」等のプライム刺激が提示された場合に過推論(必要以上に意図共有を用いて推論を行う)が起こることが示唆された(日本認知科学会第38回大会で発表)。
以上のことから、alternativeを想定する必要性がありそうな状況が、特殊な推論を引き起こす可能性が考えられる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K03375
ID情報
  • 課題番号 : 20K03375
  • 体系的課題番号 : JP20K03375

この研究課題の成果一覧

論文

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講演・口頭発表等

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