共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2020年3月

ザンビアにおける炭素蓄積型土壌を維持・生成するための土壌動物-微生物間の関連解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
  • 濱本 亨

課題番号
18J10924
配分額
(総額)
1,900,000円
(直接経費)
1,900,000円
(間接経費)
0円

この研究では、サブサハラアフリカ地域の炭素量が低い劣化土壌において、土壌生物性の改善とそれに伴う炭素蓄積を目指している。同地域は、農地開発による土壌炭素量の減少が深刻で、農業生産性の低下・土壌劣化が問題となっている。そこで、本研究では、ザンビア共和国で有機物投入による土壌環境の影響をフィールドレベルで調べた。具体的には、ザンビアの異なる地域(ルサカ市とカブエ市)に、異なる有機物(堆肥やトウモロコシ残さ等)を投入し、土壌動物群集や土壌呼吸量等の炭素動態との関連性を調べた。
これまでの研究結果から、ルサカ市の土壌において、有機物投入は土壌動物の多様化に貢献した。特に、有機物分解を担うとされているゴミムシダマシ(Tenebrionidae)、センチコガネ(Geotrupidae)等のコウチュウ目は有機物投入により約20%増加した。このような土壌動物は粗大な有機物を摂食し、土壌団粒を形成し、土壌炭素量の向上に貢献する。
一方、炭素量が低く、貧栄養であったカブエ市の土壌では、 ルサカ市に比べ土壌動物数が少なく、有機物投入が与える土壌動物群集の影響も小さかった。したがって、土壌タイプによっては、有機物投入が必ずしも炭素蓄積に効果的ではないことを明らかにした。つまり、投入された有機物への土壌動物のアクセスが頻繁に発生せず、土壌炭素の団粒化が抑制されている可能性があった。また、カブエ市の土壌では、有機物投入後の土壌呼吸量が増加した。これは、炭素循環に対して土壌動物の影響が小さい場合、土壌微生物の有機物分解(土壌呼吸)が活発になったと考えている。
今後は、これらの土壌を用いて、定量PCRによる微生物量の定量や微生物多様性の測定を行っていく。これらの結果から、有機物投入による微生物の影響が数値化される。そして、これらの結果と土壌動物群集や土壌呼吸量の変化と関連性を調べる。

ID情報
  • 課題番号 : 18J10924