共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2024年3月

確率最適輸送問題の新展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K03548
体系的課題番号
JP19K03548
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

正再帰的で定常確率密度関数を持つ拡散過程を考える。これから与えられた終期分布をもつ拡散過程を確率最適輸送問題の典型例であるSchroedingerの問題を解くことによって求める。もし、終期時間が無限大に発散したときに、Schroedingerの問題の値関数が終期分布の定常分布に対する相対エントロピーに収束することを示した。これは、Schroedingerの問題の解の初期終期結合確率分布が初期分布、終期分布、拡散過程の推移密度関数の汎関数として弱連続であると言う研究代表者三上の研究結果を用いて証明することができた。
宇宙の爆発のモデルであるSticky particle systemは確率密度関数とベクトル場に関する1階偏微分方程式系である。Schroedingerの問題の解である調和経路過程を用いて、Sticky particle systemの2階偏微分方程式版の一つの可能性を提案した。また、その特異極限が元の1階偏微分方程式系になることも示した。これは、ランダムな外力がある場合の宇宙の爆発のモデルの一つの案でもある。
ベクトルのノルムをコスト関数にもつ最適輸送問題の解で、ベクトルのノルムの凹関数をコスト関数にもつ最適輸送問題の解で近似できるものをexcursion couplingという。これを絶対連続な確率過程に対する確率最適輸送問題について拡張した。コスト関数が凸でない場合は、最適輸送問題と確率最適輸送問題の対応関係がコスト関数が凸な場合とは著しく異なることがわかった。
Brun-Minkowskiiの不等式は、最適輸送問題の解を用いて証明することができる。類似の不等式をSchroedingerの問題の解を用いて示した。これにより、Schroedingerの問題の解である調和経路過程が確率微分方程式の強解である場合の研究が重要であることもわかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K03548
ID情報
  • 課題番号 : 19K03548
  • 体系的課題番号 : JP19K03548

この研究課題の成果一覧

論文

  1

MISC

  1
  • 三上敏夫
    システム制御情報学会誌「システム/制御/情報」 64(7) 252-258 2020年7月  招待有り筆頭著者

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  7

学術貢献活動

  3