2019年4月 - 2022年3月
ARDS亜急性期~慢性期の水素吸入による肺線維化抑制効果:モデルマウスによる検証
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
実験3:間質性肺炎モデルに対する水素ガス投与21日後の呼吸生理学評価。ブレオマイシン気管内投与後、21日間3.2% 水素を投与し、線維化期の呼吸生理学評価を行った。肺胞コンプライアンス(ml/cmH2O)は、コントロール(C)群0.069 ±0.003、水素投与なし(A)群0.039±0.010、水素投与あり(H)群0.052±0.009であり、水素ガス投与により、慢性期の肺胞コンプライアンスの低下を抑制した(p=0.009)。
実験4:間質性肺炎モデルに対する水素ガス投与による肺内IL-6、IL-4、IL-13値と、M2マクロファージ数の評価。炎症性サイトカインのmRNAレベルをブレオマイシン投与7日後に評価した。IL-6、IL-4、IL-13は、H群がA群よりも有意に低かった。H群の肺胞間質に存在するM2マクロファージは、A群に比べて有意に少なかった(3.1%[95%CI:1.6%~4.5%]対1.1%[95%CI:0.3%~1.8%]、p=0.008)。
実験1-4より、水素吸入により、間質性肺炎より21日後の肺線維化抑制、肺生理機能の温存が認められ、その効果は、2型サイトカイン(IL-4、IL13)の発現抑制と、M2マクロファージの分化抑制が関与していることが示唆された。
上記の研究結果は、第48回日本救急医学会総会(2020/11/18-21)にて報告した。
実験4:間質性肺炎モデルに対する水素ガス投与による肺内IL-6、IL-4、IL-13値と、M2マクロファージ数の評価。炎症性サイトカインのmRNAレベルをブレオマイシン投与7日後に評価した。IL-6、IL-4、IL-13は、H群がA群よりも有意に低かった。H群の肺胞間質に存在するM2マクロファージは、A群に比べて有意に少なかった(3.1%[95%CI:1.6%~4.5%]対1.1%[95%CI:0.3%~1.8%]、p=0.008)。
実験1-4より、水素吸入により、間質性肺炎より21日後の肺線維化抑制、肺生理機能の温存が認められ、その効果は、2型サイトカイン(IL-4、IL13)の発現抑制と、M2マクロファージの分化抑制が関与していることが示唆された。
上記の研究結果は、第48回日本救急医学会総会(2020/11/18-21)にて報告した。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K09416
- 体系的課題番号 : JP19K09416