共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

高度分離膜への展開を指向した機能性イオン液体の創製と貴金属分離への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
20J20464
体系的課題番号
JP20J20464
配分額
(総額)
2,500,000円
(直接経費)
2,500,000円
(間接経費)
0円

現代産業に必要不可欠なレアメタルは、レアメタル鉱石から溶媒抽出法などの湿式製錬技術により生産される。近年では持続可能な開発の観点から、レアメタルを含む製品の廃棄物からのリサイクルによるレアメタルの再資源化も注目されている。これら“都市鉱山”には微量のレアメタルとともに多量の不純物金属が含まれている。溶媒抽出法は目的金属だけを選択的かつ迅速に回収することができる一方、有機溶媒を多量に使用することによる環境負荷が懸念されている。本研究では、有機溶媒を使用することなく高効率かつ選択的なレアメタル分離を達成する新規分離媒体を創製し、レアメタル1次資源や廃棄物からのレアメタルリサイクルに応用することを目的する。2020年度は①新規イオン液体によるロジウムの選択的膜分離システムの開発、および②リチウムの選択的分離を可能とする深共晶溶媒の開発、についての研究を行った。
①に関して、新規イオン液体を組み込んだ高分子膜を新規に創製し、不純物金属である鉄との混合溶液からロジウムのみの選択的な膜輸送を可能にする膜分離システムを構築した。本成果を筆頭著者として論文を投稿し、ACS Omega誌に掲載され、さらには表紙として採用された。
②に関して、イオン液体の物性や価格などの課題を克服した新たな分離媒体として深共晶溶媒に着目し、協同抽出剤からなる深共晶溶媒を新規に開発した。この深共晶溶媒を塩湖かん水からのリチウムの選択的な液液抽出システムに応用した。本成果を筆頭著者として論文にまとめ、ACS Sustainable Chemistry & Engineering誌に掲載され、さらには表紙として採用された。
以上の研究成果を国内学会5件で発表し、うち3件で優秀発表賞を受賞した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20J20464
ID情報
  • 課題番号 : 20J20464
  • 体系的課題番号 : JP20J20464