MISC

2019年8月

【認知症の早期発見と進展防止-超早期の介入に向けて】遺伝要因とバイオマーカー

カレントテラピー
  • 池内 健

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8
開始ページ
761
終了ページ
766
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)ライフメディコム

認知症の根本治療を目指した疾患修飾薬の開発がアルツハイマー病を中心に活発に進められているが、第III相試験により有用性が証明された薬剤は未だない。治験が不成功におわった理由としては、薬剤介入時期が遅かったこと、適切な評価項目が不足していたこと、また複合的な背景をもつ被検者を均一の集団として組み入れたこと、などが挙げられる。疾患修飾薬の効果を最大限に引き出すためには、被検者を遺伝的要因とバイオマーカー変化を用いて層別化し、病態と病期に応じた薬剤選択と治験デザインを構築することが求められる。本稿では、アルツハイマー病に関する遺伝的要因としてのAPOE多型とポリジェニックリスクスコア、そして脳内病理変化を反映するバイオマーカー研究の動向を概説し、認知症・超早期における介入に向けた展望を概説する。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0287-8445
  • 医中誌Web ID : T731220006

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