水素吸収した予き裂入り被覆管のき裂進展挙動に対する水素化物の影響
日本原子力学会核燃料部会第27回「核燃料・夏期セミナー」
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- 開催年月日
- 2013年7月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 下呂
- 国・地域
- 日本
反応度投入事故(RIA)時の燃料ペレット温度の上昇は、燃料棒の破損をもたらす原因となる。特に、高燃焼度燃料被覆管は水素化物の析出により脆化するため、RIA時のペレット温度上昇に伴う熱膨張に起因するペレット被覆管機械的相互作用(PCMI)により破損する可能性がある。この破損挙動に関しては被覆管外面近傍の水素化物リムに発生した初期き裂の進展開始条件が重要である。水素化物リム内側には一様に析出した脆性な水素化物が存在していることから、その水素化物が初期き裂進展開始条件に及ぼす影響を調べた。予き裂入り被覆管に水素を吸収させ、EDC試験装置により内側から周方向応力を負荷し破損させ、破損時周ひずみを評価した。破損時周ひずみは水素濃度増加に従い、単調に減少した。破断時周方向ひずみは、CW及びSR材では単位断面積あたりの水素化物の長さ、RX材では全水素化物の応力垂直方向への長さの和の増加とともに線形に低下した。これらのパラメータにより、高燃焼度燃料被覆管のRIA時破損限界をより高精度化できる可能性を示した。