2021年4月 - 2024年3月
変分不等式を用いた破壊の数理モデルとその解析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
き裂面を開口するような変位を与えるモード I き裂進展に注目し、既に提案したフェーズフィールドき裂進展モデルを変分不等式に書き直し、数値シミュレーションでき裂進展現象が表現できるか検証した。2次元のき裂進展問題において、FreeFEM で IPOPT を用いることで変分不等式問題としてシミュレーションを実行する場合の結果と計算効率について従来の近似的方法と比較したところ、これまでの方法よりも低いエネルギー状態でのき裂進展が推移することがわかり、また、IPOPTを使うことで現実的なコストで数値計算可能であることが確認できた。さらに、この変分不等式を用いた脆性破壊に関する 3 次元き裂進展モデルのシミュレーションコードを作成し、動作を検証した。こちらについては動作の確認はできたものの、計算コストが非常に大きいことがわかり、計算コードの見直し等が必要であることがわかった。
これらの結果を、日本応用数理学会2021年度年会において「FreeFEM を用いた変分不等式型き裂進展シミュレーション」として発表し、変分不等式問題としてシミュレーションを実行する場合の結果と計算効率、そしてその実用性について述べた。
また、き裂面が接触している場合の摩擦のモデル化について、研究情報の収集を行い、特に接触面の速度と摩擦のモデル化について検討した。この中で、変位に対する拘束条件のみでは数値シミュレーションが不安定になる可能性があるとの指摘も見つかり、モデル化とともに数値シミュレーションの安定性も検討する必要があることがわかった。
これらの結果を、日本応用数理学会2021年度年会において「FreeFEM を用いた変分不等式型き裂進展シミュレーション」として発表し、変分不等式問題としてシミュレーションを実行する場合の結果と計算効率、そしてその実用性について述べた。
また、き裂面が接触している場合の摩擦のモデル化について、研究情報の収集を行い、特に接触面の速度と摩擦のモデル化について検討した。この中で、変位に対する拘束条件のみでは数値シミュレーションが不安定になる可能性があるとの指摘も見つかり、モデル化とともに数値シミュレーションの安定性も検討する必要があることがわかった。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K03356
- 体系的課題番号 : JP21K03356
この研究課題の成果一覧
絞り込み
講演・口頭発表等
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ICIAM 2023 Tokyo (10th International Congress on Industrial and Applied Mathematics) 2023年8月22日
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ICCCM 2023 (International Conference on Computational Contact Mechanics) 2023年7月5日
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第28回計算工学講演会 2023年6月1日
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日本応用数理学会2022年度年会 2022年9月8日
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日本応用数理学会2021年度年会 2021年9月9日