MISC

2016年3月

強い心理反応や精神症状を有する利用者や家族の対応に困難を感じる訪問看護師への支援体制の検討 訪問看護師を対象にした事例検討会を通して

神戸市看護大学紀要
  • 安藤 幸子
  • ,
  • 山岡 由実
  • ,
  • 蒲池 あずさ
  • ,
  • 西山 忠博
  • ,
  • 石田 絵美子

20
開始ページ
33
終了ページ
41
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
神戸市看護大学

本研究は、訪問看護利用者やその家族に強い心理反応や精神症状があり、対応に困難を感じている訪問看護師を対象に事例検討会を実施し、その有効性と課題、事例検討会以外の支援ニーズを明らかにすることを目的とする。それにより、訪問看護師の助けになり、かつ大学の教育研究にも活用できる支援体制を検討したいと考えた。事例検討会は年間2回開催し、訪問看護師、精神看護学の教員および大学院生が参加した。参加した訪問看護師には、郵送式の自記式無記名式のアンケートを実施し(配布11、回収7)、事例を提供した訪問看護師2名には、事例検討会終了後約1ヵ月の時点でインタビューを行い、データを質的に分析した。アンケート調査では、事例検討会は「非常に役に立った」「役に立った」という回答が7名全員であった。また事例検討会がどのような点で役立つかという自由記載では、<不安が緩和する>、<別の事例に応用できる>などが、事例検討会の課題としては、<対応の検討や意見交換の時間が短い>などが挙げられた。また事例検討会以外の支援ニーズは、<リアルタイムで相談できる場が欲しい>、<精神科看護の知識や技術を事例を通して具体的に学びたい>などに分類された。事例提供者のインタビュー結果では、事例検討会の効果として、《自分の看護が間違っていないと自信が持てる》、《精神障がい者の理解が深まり対応方法もわかる》など6項目が抽出された。また事例検討会の課題としては、《参加する時間の確保が難しい》などが、事例検討会以外の支援ニーズとしては、《精神疾患や福祉制度に関する専門的な知識や対応方法が知りたい》など7項目が抽出された。また大学が行う支援上の課題として、《タイムリーな支援は難しい》などが挙げられた。以上から、訪問看護師は、困難事例への対応方法の理解が深まり、不安が軽減するような場や、困った時に相談できる場、専門的知識を実践的に学べる場などを求めていることが示唆された。今後は訪問看護師のニーズに合致し、かつ大学の教育研究にも活用できる支援体制作りが課題である。(著者抄録)

リンク情報
Jamas Url
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&doc_id=20160414290004&url=http%3A%2F%2Fci.nii.ac.jp%2Fnaid%2F120005745071&type=CiNii&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00003_3.gif
Jamas Url
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&doc_id=20160414290004&url=https%3A%2F%2Fkango-sakuin.nurse.or.jp%2Fnid%2F1601412&type=%8D%C5%90V%8A%C5%8C%EC%8D%F5%88%F8Web&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00014_1.gif
Jamas Url
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&doc_id=20160414290004&url=http%3A%2F%2Fid.nii.ac.jp%2F1189%2F00000179%2F&type=%90_%8C%CB%8Es%8A%C5%8C%EC%91%E5%8Aw%81F%90_%8C%CB%8Es%8A%C5%8C%EC%91%E5%8Aw%83%8A%83%7C%83W%83g%83%8A&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F80058_3.gif
ID情報
  • ISSN : 1342-9027
  • 医中誌Web ID : 2016225874

エクスポート
BibTeX RIS