共同研究・競争的資金等の研究課題

2023年4月 - 2027年3月

国公立美術館における障害者等の芸術に対するキュレーションの最適化

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

課題番号
23K25290
体系的番号
JP23K25290
配分額
(総額)
18,330,000円
(直接経費)
14,100,000円
(間接経費)
4,230,000円

2023年度の主な研究活動は国公立美術館の学芸員へのインタビューと研究会であった。訪問した美術館は、国内では茅ヶ崎市美術館、熊本市現代美術館、九州国立博物館、滋賀県立美術館、仙台メディアテーク、水戸芸術館、香川県立ミュージアム、高松市美術館、秋田文化芸術創造センター、渋谷公園通りギャラリー、道立函館美術館、南三陸311メモリアルの12館、海外ではPalais de Tokyo、Halle Saint Pierre、Museum Dr. Guislain、Trinkhall Museum、Art et Marges museum(以上フランとベルギー)の5館であった。障害者アートの企画等に関して、またアクセシビリティに関する取り組みについてインタビューを行った。国内では、組織として障害者の作品の評価のあり方を体系的に構想している美術館はほとんどなく、その分野に関心のある学芸員や職員個人の裁量に委ねられている部分が大きいことが明らかになった。そしてその場合、その個人は作品の評価と同時に障害者の美術館や美術展へのアクセスの向上にも関心を持ち、ハードとソフト両面でのアクセシビリティ向上のための取り組みも行っていることが多い。それに対して、ヨーロッパでは障害者の作品を含むアウトサイダー・アートやアール・ブリュットを通常の美術の枠組みの中で理解する動きが急速に進みつつある。しかしながら、それはあくまでアウトサイダー・アートやアール・ブリュットの評価であり、そこに障害者が含まれていることが話題に上ることはほとんどないことが明らかになった。
研究会では、障害とアートの関係について、障害学並びに文化政策の観点から、また美学の観点から美的な価値についての近年の議論について考察した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-23K25290
ID情報
  • 課題番号 : 23K25290
  • 体系的番号 : JP23K25290

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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