2021年4月 - 2025年3月
細胞外小胞の口腔トロピズムを基軸とする侵襲性歯周炎の病態解明と診断への応用展開
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
侵襲性歯周炎(Aggressive periodontitis:AgP)は全身的には健康な若年者に発症し,急速に進行する特殊な歯周炎であるが、その発症病態は不明なままである。本研究では,臓器特異的な作用(臓器トロピズム)が近年注目されている血中の細胞外小胞(EV)とAgPの病態関与の可能性を調べた。
今年度は、AgP患者6名と健常者3名の初診時血中EVから,AgPで高発現するmiRNAをRNAシーケンスにて調べ,マーカー候補となるそれらのmiRNA mimicをヒト歯肉線維芽細胞と歯周炎モデルマウスに遺伝子導入した。誘導された炎症性サイトカインの発現量をリアルタイムPCR法とELISA法にて測定し,歯槽骨吸収量をマイクロCTにて調べた。
健常者と比較して,AgP患者で発現量が2倍以上増加したmiRNAを500種類以上同定した。それらのうち5種のmiRNAとmiR-181b-5pを歯肉線維芽細胞に導入すると,IL-6とIL-1βの産生が増加した。とりわけ,miR-181b-5p を歯肉組織に導入すると歯槽骨吸収が進行した。
すなわち、AgP患者の血中EVには診断マーカー候補となるmiRNAが多く発現しており,miR-181b-5pはIL-6とIL-1β発現を伴う炎症を助長することによってAgPを重症化する可能性が示された。
今年度は、AgP患者6名と健常者3名の初診時血中EVから,AgPで高発現するmiRNAをRNAシーケンスにて調べ,マーカー候補となるそれらのmiRNA mimicをヒト歯肉線維芽細胞と歯周炎モデルマウスに遺伝子導入した。誘導された炎症性サイトカインの発現量をリアルタイムPCR法とELISA法にて測定し,歯槽骨吸収量をマイクロCTにて調べた。
健常者と比較して,AgP患者で発現量が2倍以上増加したmiRNAを500種類以上同定した。それらのうち5種のmiRNAとmiR-181b-5pを歯肉線維芽細胞に導入すると,IL-6とIL-1βの産生が増加した。とりわけ,miR-181b-5p を歯肉組織に導入すると歯槽骨吸収が進行した。
すなわち、AgP患者の血中EVには診断マーカー候補となるmiRNAが多く発現しており,miR-181b-5pはIL-6とIL-1β発現を伴う炎症を助長することによってAgPを重症化する可能性が示された。
- ID情報
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- 課題番号 : 21H03119
- 体系的課題番号 : JP21H03119