簡易懸濁法に関わる情報提供の迅速化と適正化を支援するデータベースについて検討した。薬剤師に簡易懸濁法に関わる情報の提供が依頼された症例における依頼内容、処方内容と患者情報を収集した。データベースはExcel 2010のファイルとして可能な限り既存の関数を用いて構築した。簡易懸濁法に関わる情報提供には、可能な限り多くの内服薬についての情報と、薬剤間の配合変化の可能性について検討する必要があることが示された。構築したデータベースの利便性を評価するために、模擬処方を用いて成書のみを情報源とした方法と比較したところ、所要時間の削減のみならず、配合変化や投与時の注意事項等について、より多くの情報を提示できることが示された。過去に情報の提供が依頼された処方内容について、構築したデータベースを用いた検討を行ったところ、約半数の事例について、経管投与が不適切な薬剤や注意を要する薬剤が含まれていることが見出された。