共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

高出力レーザー生成プラズマを用いる磁気リコネクションの実験研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H01881
体系的課題番号
JP20H01881
配分額
(総額)
18,070,000円
(直接経費)
13,900,000円
(間接経費)
4,170,000円

2021年度は、2回の大型レーザー実験を行い、2方向のレーザートムソン散乱計測からイオンの速度分布関数の変化を検出し、リコネクションによる温度・速度変化を示唆する結果を得た。また、磁場に垂直方向の計測から、電子の分布関数に関する情報の取得にも成功した。つまり、リコネクションによるアウトフローと反平行磁場が生成する電流シートを示唆する結果が得られた。これらを詳細に解析することで、リコネクション前の磁場強度、電流シートの生成と消失、リコネクションによるエネルギー変換、つまり磁場エネルギーから電子・イオンへのエネルギー変換割合と配分を議論できる。これらの結果は現在論文投稿準備中である。
また、高強度レーザーによって生成した陽子ビームを用いて、リコネクション領域の電場・磁場構造計測に成功した。実験からは磁場によって偏向された陽子の空間分布が得られるが、ここから磁場構造を逆算する手法が確立されていない。この解析には磁場に偏向された画像データと、偏向されていない画像データの両方が必要であるが、本研究のような大型レーザー実験では、両方のデータを同時に取得することができない。そこで、エネルギー分解した複数の偏向画像データから磁場構造を逆算する手法を開発し、現在、検証中である。この手法を用いて磁場のつなぎ替わり、リコネクション率の定量的評価が可能になると考えられる。この結果は、今年度内には論文投稿する準備を行っている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H01881
ID情報
  • 課題番号 : 20H01881
  • 体系的課題番号 : JP20H01881

この研究課題の成果一覧

論文

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