2019年12月25日
東広島市西条盆地南部の放棄用水路のマッピングとその意義
広島大学総合博物館研究報告
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- 巻
- 号
- 11
- 開始ページ
- 63
- 終了ページ
- 77
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.15027/48827
- 出版者・発行元
- 広島大学総合博物館
東広島市西条盆地南部に位置する柏原(かしょうばら)地区は,段丘面上に広がる近世後期の新田開発地である。柏原地区の農業用水を確保するために中の峠(たお)池(現深道池)が造築されたが,池の集水域が狭く慢性的に水不足であった。そのため,池の集水域と異なる小田山川の集水域内の山麓に用水路を築き,中の峠池に水をもたらしてきた。現在は別の導水トンネル(中の峠隧道)ができたため,この用水路は30 年以上前に放棄されている。本研究では,現地調査によって用水路の構造のマッピングを行い,さらに古文書の解読によって造築の経緯の一端を明らかにした。本研究は,郷土の発展の痕跡である歴史的な文化財を後世に伝えるだけでなく,今後増加すると考えられる放棄用水路のマッピングの先駆的な事例として意義があると考えられる。本稿の内容の一部は,2018年度地理科学学会春季学術大会(2018年6月2日,於広島大学大学院文学研究科)にて口頭発表を行った。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.15027/48827
- ISSN : 1884-4243
- CiNii Articles ID : 120006813427
- CiNii Books ID : AA12459864