Dec, 2016
種々のエネルギー密度でCO2レーザー(波長9.3μmおよび10.6μm)照射したエナメル質の形態の変化
日本歯科保存学雑誌
- Volume
- 59
- Number
- 6
- First page
- 479
- Last page
- 488
- Language
- Japanese
- Publishing type
- Publisher
- (NPO)日本歯科保存学会
目的:本研究は,ハイドロキシアパタイトの吸収波長に近い波長9.3μmのCO2レーザーを照射したエナメル質の形状ならびに性状の変化について詳細に検討するとともに,生じた変化を波長10.6μmの場合と比較検討することを目的として,まず種々のエネルギー密度で波長9.3μmのCO2レーザーをエナメル質に照射したときに生じた形態変化の検討とその三次元画像解析を行い,それらの結果を波長10.6μmの場合と比較検討した.材料と方法:新鮮ウシ抜去前歯唇側歯質から調製したエナメル質に,波長9.3μmの試作CO2レーザー(タカラベルモント)を3種のエネルギー密度(119.0J/cm2,158.7J/cm2,238.1J/cm2)でおのおの0.1秒ずつ照射した(それぞれ9.3L群,9.3M群および9.3H群).また,波長10.6μmのCO2レーザー(ベルレーザー,タカラベルモント)を同様の条件で照射した(それぞれ10.6L群,10.6M群および10.6H群).これら照射面の形態変化を走査電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し,さらに,形状解析レーザ顕微鏡を用いて3D画像解析を行った.結果:波長9.3μmのCO2レーザーを照射したエナメル質には,波長10.6μmと同様の膨隆,亀裂,鱗片状,硝子様あるいはクレーター状の形態変化が観察され,3D画像とそのプロファイルにより膨隆が認められた.3D画像解析では,鱗片状の形態変化の面積,膨隆の面積や高さ,クレーター状の形態変化の深さはいずれも9.3群のほうが10.6群の場合に比べ大きい値を示した.しかし亀裂は,9.3群では照射野内に限局して認められたが,10.6群では照射野外に及ぶものが認められた.結論:本実験の条件下では,生じた形態学的変化の種類は,波長にかかわらず同じであったが,その程度は,同一エネルギー密度でも波長の違いにより異なっており,波長9.3μmのCO2レーザーのほうが顕著であることが明らかになった.(著者抄録)
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- https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2016&ichushi_jid=J01092&link_issn=&doc_id=20170123280005&doc_link_id=%2Fdo1conde%2F2016%2F005906%2F005%2F0479-0488%26dl%3D0&url=http%3A%2F%2Fwww.medicalonline.jp%2Fjamas.php%3FGoodsID%3D%2Fdo1conde%2F2016%2F005906%2F005%2F0479-0488%26dl%3D0&type=MedicalOnline&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00004_2.gif
- URL
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- ID information
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- ISSN : 0387-2343
- eISSN : 2188-0808
- Ichushi Web ID : 2017160847