論文

査読有り
2015年12月

鏡面研磨された各種コンポジットレジンの表面性状の評価とアルカリ環境下における変化

日本歯科保存学雑誌
  • 岸本 崇史

58
6
開始ページ
482
終了ページ
495
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(NPO)日本歯科保存学会

目的:最新のフィラー技術が導入された種々のコンポジットレジンの鏡面研磨面を総合的に評価することを目的として,それらの表面粗さ,光沢度,変色および接触角などの関連性を検討するとともに,アルカリ環境下における劣化試験を行い,フィラーとマトリックスレジンの接合状態の変化の様相を比較検討した.材料と方法:供試レジンはClearfil AP-X(AP),Estelite ΣQuick(EQ),Clearfil Majesty ES-2(ES),MI Gracefil(GF),Filtek Supreme Ultra(FS),Clearfil Majesty ES Flow(ESf)およびMI Fil(MF)の7種で,各レジンブロック試料(縦20mm×横10mm×高さ4mm)上に鏡面研磨面(0.3μm)を調製し(n=5),それらの面の表面粗さ(Ra),光沢度(%),変色(ΔE*ab)および接触角(θ)を比較検討した(Tukey HSDテスト,Pearsonの相関係数検定,α=0.05).次いで,鏡面研磨面を有するレジンブロックを0.1規定のNaOH水溶液(60℃,pH 12.7)に3日間浸漬し,水洗乾燥後レジン表面を観察した(SEM).その後各試料を樹脂包埋し,長軸方向中央で半切後,鏡面研磨した切断面を劣化の様相を中心に観察した(SEM).結果:EQ,MFの表面粗さはES,FSに比し有意に低く,またほかのいずれのレジンに比べても,APの光沢度は低く,FSの変色の程度は高かった(p<0.05).表面粗さと光沢度,および表面粗さと変色との間に相関を認めた(p<0.05).アルカリ環境下における劣化試験の結果では,フィラーとマトリックスレジンの剥離およびフィラーの脱落が観察され,その様相はレジンの種類により異なっていた.結論:各種コンポジットレジンにおいて,鏡面研磨面の性状ならびにアルカリ環境下における劣化の様相は,フィラーの種類,粒径,あるいは粒度分布などが密接に関連していることが示唆された.(著者抄録)

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