2009年11月
環境試料中の極微量核物質同位体比測定を妨害する汚染源の低減
KEK Proceedings 2009-8
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- 開始ページ
- 151
- 終了ページ
- 155
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
保障措置環境試料分析のバルク分析では、ngレベルのウラン及びfgレベルのプルトニウムの同位体比測定を目標としているが、分析中に外部から混入する天然Uや不純物の汚染を極力抑える必要がある。本発表では、現在観察されている二つの汚染源、(1)ヨウ化水素酸中のU及び(2)テフロン棒瓶から溶出するタングステンの低減方法について報告する。(1)Puの分離で用いる塩酸-ヨウ化水素酸溶液中には約3pg/10mlのUが含まれ、化学分離のプロセスブランクのほとんど、また全工程のブランクの約20\%であることが明らかになった。この低減化対策として、事前に陰イオン交換樹脂にてこの溶液中のUを除去してから使用することを試みたところ、この方法により4\%までUを減少させることができ、またPu回収率は81\%であった。(2)ICP-MSの測定溶液を入れるテフロン棒瓶でUの同位体比測定の妨害となるWが多く検出されたため、洗浄方法の検討を行った。8M硝酸及び8M硝酸-0.2\%フッ化水素酸での振盪洗浄を行った結果、8M硝酸-0.2\%フッ化水素酸の方が効果的にWを除去できることがわかった。