共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

SiC長繊維と短繊維を組み合わせた力学的等方性を持つ新規繊維強化型レジンの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究
  • 高 昇将

課題番号
21K17019
体系的課題番号
JP21K17019
配分額
(総額)
3,250,000円
(直接経費)
2,500,000円
(間接経費)
750,000円

本研究は、繊維強化材の長繊維の持つ高い補強効果と、短繊維の持つ力学的等方性を組み合わせることで、高い機械的強度と力学的等方性を併せ持つ炭化ケイ素(以下SiC)繊維強化型レジンの開発を目的としており、これにあたりSiC短繊維の繊維長を決定する必要がある。先行研究にてSiC短繊維を用いた繊維強化型レジンを試作した際、繊維長2mmの場合に機械的強度が最も高くなったため、SiC短繊維の繊維長を2mmに設定した。
次にSiC長繊維とSiC短繊維の配置について検討するため、補強効果に優れる長繊維が1)圧縮側、2)引張側、3)圧縮側と引張側の中間にそれぞれ配置し、SiC長繊維を配置していない空間にはSiC短繊維を配置したSiC繊維強化型レジンを用いて試験片を試作し、3点曲げ試験に供した。試験片形状および3点曲げ試験条件はJIS T 6517:2011に準拠した。試験片の繊維含有量はSiC長繊維とSiC短繊維の合計が3vol%となるようにし、SiC長繊維のみを繊維強化材として用いた繊維強化型レジンの機械的強度について検討した先行研究と同一条件とした。結果、引張側にSiC長繊維を2vol%、圧縮側にSiC短繊維を1vol%配置した場合、最も高い機械的強度を示し、この値は先行研究で得られたSiC長繊維のみを繊維強化材として用いた試験片と同等であった。このことから、圧縮側にSiC短繊維、引張側にSiC長繊維を配置することで、力学的等方性と高い機械的強度の両立が可能であることが示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K17019
ID情報
  • 課題番号 : 21K17019
  • 体系的課題番号 : JP21K17019

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