2016年7月
【消化管疾患と皮膚病変】 抗TNF-α抗体製剤に起因する皮膚病変
胃と腸
- 巻
- 51
- 号
- 8
- 開始ページ
- 1062
- 終了ページ
- 1068
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11477/mf.1403200689
- 出版者・発行元
- (株)医学書院
当院で2009年1月〜2015年10月までの間に抗TNF-α抗体製剤で治療した炎症性腸疾患患者1,189例(Crohn病853例,潰瘍性大腸炎336例)を対象として皮膚有害事象の発生について検討した.明らかな皮膚病変は49例(4.1%)で確認され,そう痒症など皮膚症状のみの症例も加えた有害事象の頻度は17.0%と比較的高率であった.皮膚病変では,湿疹・発疹が最も多く,紅斑・膿皮症・皮脂欠乏性皮膚炎・帯状疱疹などがこれに次ぎ,逆説的副反応と呼ばれる乾癬様皮疹の出現(掌蹠膿疱症含め)は6例(0.5%)と海外に比べて低率であった.皮膚病変の出現による抗体製剤治療の中止率は1.4%で,皮膚病変出現例の約50%は軟膏などの局所療法の併用で抗体製剤治療を継続しえていた.(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11477/mf.1403200689
- ISSN : 0536-2180
- eISSN : 1882-1219
- 医中誌Web ID : 2016291299
- CiNii Research ID : 1390002209921244416