2018年4月 - 2022年3月
遺伝子治療を可能とするCRISPR/Cpf1による正確な欠失変異導入法の確立
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究は、CRISPR-Cas12a(CRISPR-Cpf1)を用いたゲノム編集により、遺伝子ノックイン不要の高精度、高正確性をもつ欠失変異導入法を確立することを目的とする。我々は、Cas12aが切断部位に5'突出末端を形成することに着目して、2箇所の標的配列の切断後に生じる突出末端を相補的とすることで、ダブルカット後の末端同士が結合することによる正確な欠失変異導入が可能であることを見出した。本年度は、昨年度に引き続き、Cas12aでのダブルカットによる正確な欠失導入を特徴づけるため、アンプリコンシーケンスによる詳細な解析を進めた。また、新たな目標として突出末端の配列の組み合わせによる影響を明らかとするための実験系の立ち上げを進めた。アンプリコンシーケンス解析では、昨年度までの結果から一部のガイドRNAで活性が低いことが判明したため、追加のガイドRNAを新たに設計して、データを追加した。突出配列の影響を明らかとする実験系においては、ダブルカットによって形成される突出配列がランダムとなる人工標的配列をもつレンチウイルスライブラリを作製した。このライブラリを用いて、HEK293T細胞のゲノム上に人工的な標的配列を作り出すことに成功し、さらに突出配列に相当する部分がランダムな配列となっていることが確認された。また、試験的な段階ではあるものの、実際にCas12aを発現させてダブルカットを誘導し、作り出した人工的な標的配列を編集することにも成功した。
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- 課題番号 : 18K15054
- 体系的番号 : JP18K15054