2020年4月 - 2023年3月
医療応用のための非ランダムなゲノム編集技術の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究では、ゲノム編集の再現性を高める、つまり標的DNA配列を毎回狙い通りに改変できる技術の開発を進めている。
接着末端を生じるCas12aでゲノムDNAの2カ所を切断し、その末端配列が互いに相補的になるようにgRNAを設計することにより、予測通りの正確な欠失を導入する手法の開発を進めた。昨年度までに、2分子のCas12aをgRNAのPAMが内側を向く配置にする条件が最適であることを明らかにしていたため、そのgRNAの配向でCas12a分子のDNA切断によって相補的な接着末端、あるいは非相補的な末端を生じるように設計したレンチウイルスを作製し、HEK293T細胞に感染させた後に欠失を誘導した。標的配列をPCRによって増幅し、次世代シークエンスによってゲノム編集結果を解読した。
ドナーDNA配列通りの、正確なゲノム編集が可能になるDNA組換えを促進する分子をスクリーニングするために、ゲノム編集結果を蛍光で検出できるレポーターK562細胞を樹立した。このレポーター細胞に、組換えゲノム編集効率が高いHEK293T細胞cDNAのレンチウイルスライブラリーを感染させた後、ゲノム編集を誘導しDNA組換が起きた細胞とそうでない細胞を分取した。分取した細胞からレンチウイルス特異的な配列のプライマーを用いたPCRで、ウイルスにより細胞に導入されたcDNA配列を同定することを目指したが、非特異的なDNA配列の増幅の抑制が困難であった。そこで、これらの細胞からRNAを抽出し、RNAseqを実施して遺伝子発現を網羅的に比較し、DNA組換えが起きた細胞で特異的に発現している遺伝子を同定する手法を採用することとした。
接着末端を生じるCas12aでゲノムDNAの2カ所を切断し、その末端配列が互いに相補的になるようにgRNAを設計することにより、予測通りの正確な欠失を導入する手法の開発を進めた。昨年度までに、2分子のCas12aをgRNAのPAMが内側を向く配置にする条件が最適であることを明らかにしていたため、そのgRNAの配向でCas12a分子のDNA切断によって相補的な接着末端、あるいは非相補的な末端を生じるように設計したレンチウイルスを作製し、HEK293T細胞に感染させた後に欠失を誘導した。標的配列をPCRによって増幅し、次世代シークエンスによってゲノム編集結果を解読した。
ドナーDNA配列通りの、正確なゲノム編集が可能になるDNA組換えを促進する分子をスクリーニングするために、ゲノム編集結果を蛍光で検出できるレポーターK562細胞を樹立した。このレポーター細胞に、組換えゲノム編集効率が高いHEK293T細胞cDNAのレンチウイルスライブラリーを感染させた後、ゲノム編集を誘導しDNA組換が起きた細胞とそうでない細胞を分取した。分取した細胞からレンチウイルス特異的な配列のプライマーを用いたPCRで、ウイルスにより細胞に導入されたcDNA配列を同定することを目指したが、非特異的なDNA配列の増幅の抑制が困難であった。そこで、これらの細胞からRNAを抽出し、RNAseqを実施して遺伝子発現を網羅的に比較し、DNA組換えが起きた細胞で特異的に発現している遺伝子を同定する手法を採用することとした。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H03442
- 体系的番号 : JP20H03442