2012年3月23日
高等植物の葉緑体,ミトコンドリアにおける紫外線誘発DNA損傷(CPD)に対する光修復機構に関する研究
宮城県農業・園芸総合研究所研究報告
- 巻
- 号
- 80
- 開始ページ
- 51P
- 終了ページ
- 48
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 宮城県農業・園芸総合研究所
太陽光に含まれる紫外線B(280-320nm; UVB)は、植物細胞内の核、葉緑体、ミトコンドリアゲノム上にDNA損傷の一つであるシクロブタン型ピリミジン二量体(CPD)を誘発する。CPDの蓄積はUVBによる植物の生育抑制の主要因であり、これまでの研究から、核でのみ青色光を利用して修復するCPD光回復酵素による光修復機構の存在が確認されている。本研究ではオルガネラでのCPD光回復量を解析することで、イネとアラビドプシスの葉緑体、ミトコンドリアでCPD光修復能が存在することを明らかにした。また、細胞組織学的な解析で、イネの各オルガネラにCPD光回復酵素が局在していることを示した。これらの結果は、高等植物が進化の過程で、CPD光回復酵素を核、葉緑体、ミトコンドリアに移行させて、効率的にCPDの修復を行う生存戦略機構を獲得したことを示唆している。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1347-2232
- J-Global ID : 201202285443962923
- CiNii Articles ID : 120005866587
- CiNii Books ID : AA11648690