共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

神経発達障害の脆弱性と予測因子に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H03595
体系的課題番号
JP20H03595
配分額
(総額)
17,680,000円
(直接経費)
13,600,000円
(間接経費)
4,080,000円

対象は2次発達健診で神経発達障害群の診断がついた5歳児約650名の血漿である。その中から自閉症(ASD)54人(男児36人、女児18人)、注意欠如・多動性障害(ADHD)50人(男児31人、女児19人)、ASDとADHDの合併例64人(男児44人、女児20人)、健常児(TD)66人(男児41人、女児25人)を選択し、質量分析器 (SCIEX社、QTRAP6500)を用い、血漿中のメタボローム解析を行った。AbsoluteIDQ p180Kit メタボライト測定キット (Biocrates)を使用した。このキットは重要な代謝物の定量的な解析が可能である。5つの化合物クラスに属する186種類の代謝物を定量化した。1.アシルカルニチン(37個);生物学上のパスウェイはエネルギー代謝、酸化ストレスなど、2.アミノ酸(21個)、3.生体アミン(21個);神経傷害など、4.各種ヘキソース;炭水化物の代謝、5.リン脂質及びスフィンゴ脂質(ホスファチジルコリン:76個;脂肪酸プロファイルなど、リゾホスファチジルコリン:13個;脂肪酸プロファイルなど、スフィンゴミエリン:15個;シグナルカスケード)。結果は、ASD対TDでカットオフ値を2.0にしたところ、Aアミノ酸が有意差を示した。Bアミノ酸はROC curveから感度は65.2%、特異度は77.8%であった。ADHD対TDではC生体アミンがカットオフ値が4.0で有意差を示した。D脂肪酸はROC curveから感度は72.7%、特異度は74.0%であった。ASDとADHDの合併対TDでは4種類の因子でカットオフ2.0で有意差を示した。その中で、Eアミノ酸がROC curveから感度は80.3%、特異度は78.1%であった。このようにASD,ADHDの診断マーカーもしくは病態解明につながる因子がいくつか明らかになった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H03595
ID情報
  • 課題番号 : 20H03595
  • 体系的課題番号 : JP20H03595