2016年3月
自閉症スペクトラム障害に対する感覚統合療法の効果 日常生活動作の獲得へと繋がった一症例
感覚統合研究
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 16
- 号
- 開始ページ
- 9
- 終了ページ
- 18
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本感覚統合学会
症例は6歳男児で、自閉症スペクトラム障害で、自閉症スペクトラム障害の診断は医師による診断に加え、親面接式自閉スペクトラム症評定尺度テキスト改訂版(PARS-TR)を用い確認を行った。母親からの聴取により主訴は、運動面での不器用さ、コミュニケーション面での将来的な不安など多数聞かれたが、現状での一番の心配事は「学校で友だちのペースについていけない」であった。運動、コミュニケーション、日常生活動作、学校での過ごし方など、多岐に渡る訴えがあったが、10回の治療における目標は、日常生活動作の一つである靴下を両手で踵の向きが合った状態で履くこと、補助輪付きの自転車に乗ることの二つを設定した。これらを、Goal Attainment Scaling(GAS)を用いて、目標設定を行った。月2回、1回60分の個別での感覚統合療法を10回実施した。GASで設定した項目は「靴下を履く」が+2、「自転車(補助輪付き)に乗る」が+1と、いずれもスコアが向上した。治療に対して保護者から高い満足を得た。
- ID情報
-
- ISSN : 2185-2758
- 医中誌Web ID : 2017138368