基本情報

所属
北海道大学 水産学部 附属練習船うしお丸 助教
学位
博士(水産科学)、2007年(北海道大学)

J-GLOBAL ID
201101085655958810
researchmap会員ID
B000005367

外部リンク

研究課題と活動状況: 近年、地球温暖化の鍵を握る大気中の二酸化炭素の濃度が上昇を続けている。この二酸化炭素の上昇を予測する上で現在最も重要とされているのは、大気から海洋・海洋から大気への二酸化炭素のフラックスである。この二酸化炭素のフラックスは、海洋の植物プランクトンが光合成を行うことによる炭素固定量(基礎生産量)に左右される。南極・北極の両極域は非常に高い基礎生産力を持つため、極域の生物生産の時空間変動が地球規模の炭素循環に大きな影響を与えることは自明である。以上のような観点から、南極・北極の植物プランクトン種、生物生産力の長期的な時空間変動と、気候変動に関連した変動要因に関する研究をbi-polarな視点で進めている。

また、ベーリング海・北極海では、しばしば大規模な円石藻類の大発生が発生している。円石藻類は細胞の周囲に炭酸カルシウムの殻を形成する。海水中において円石藻類が炭酸カルシウムを形成することにより海水中のアルカリ度が低下する。そのことにより海水中における炭酸系の平衡から海洋から大気へ二酸化炭素が放出されることで、植物プランクトン全体による基礎生産力の変動とともに、特定の植物プランクトンの挙動が地球規模の炭素循環に寄与することが指摘されている。リモートセンシング及び海洋光学観測を用い、人工衛星から全球的な円石藻類分布のモニタリング手法を開発し、全球的な炭素循環を明らかにする上で一助となる研究を行っている。

極域観測歴: 2001年6月~8月:ベーリング海(北海道大学練習船 おしょろ丸)、
2002年6月~8月:ベーリング海(北海道大学練習船 おしょろ丸)、
2003年3月:アラスカ湾(米国アラスカ大学海洋研究所 調査船Alpha Helix)、
2003年7月~8月:ベーリング海 (北海道大学練習船 おしょろ丸)、
2004年8月:ベーリング海(海洋研究開発機構研究船 みらい)、
2005年7月~8月:ベーリング海(北海道大学練習船 おしょろ丸)、
2006年8月~9月:オホーツク海(ロシア極東水理気象研究所 調査船クロモフ号)
2007年~2008年 JARE49夏隊 生態系モニタリング
2008年~2009年 JARE50夏隊 生態系モニタリング
2011年~2012年 JARE53夏隊同行者
2012年~2013年 JARE54夏隊同行者
2013年 GRENE北極研究観測事業(おしょろ丸)
2014年 JARE55夏隊 基本観測(海洋物理・化学)
2015年 JARE56夏隊 基本観測(海洋物理・化学)

論文

  29

MISC

  28

講演・口頭発表等

  43

共同研究・競争的資金等の研究課題

  9

学術貢献活動

  1
  • 企画立案・運営等, 企画立案・運営等
    2013年11月

社会貢献活動

  20

その他

  1
  • 21世紀を迎えた現在、地球温暖化・オゾン層破壊・海洋汚染等の環境問題が深刻化している。このような地球レベルの問題を抱えながら、地球楓ハの7割以上を占める海洋と地球環境変動との関わりは未だ理解されていない。特に人間活動域から遠く離れ、地球環境変動の影響を最も顕著に受ける南極海域南大洋では、観測の困難さから未解明の部分が数多く残る地域である。しかし近年、人工衛星から地球楓ハを観測するリモートセンシング技術が急速に発達し、我々の地球に関する情報収集能力が増大した。特に直接観測に困難が伴う極域ではその成果は非常に大きなものであった。さらに近年のコンピュータサイエンスの急速な発達により、収集した情報の処理能力も増大し、新しいサイエンスフィールドが構築されている。長期のデータ蓄積が必要な南極地域モニタリングにおいて衛星観測は海洋環境を瞬時に広域を繰り返し観測でき、様々な時空間スケールで海洋の諸現象を捉えることができることから、地球環境変動機構解明に非常に有用な道具である。このような趨勢の中で、これからの地球環境南極地域研究には衛星による水温、海上風、海面高度、海氷分布、植物プランクトン、水蒸気量などの情報利用なしで成り立たない状況である。これらのことを鑑み、今後の研究は衛星リモートセンシングと従来の現場観測等を組み合わせた、海洋環境を多面的かつ総合的に探求する新しい海洋環境変動解析手法を確立し、海洋環境変動への新しい方法論を展開したいと考えている。