共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年6月 - 2021年3月

匂い感覚能の個性を生み出す分子基盤解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)  挑戦的研究(開拓)

課題番号
18H05369
配分額
(総額)
26,000,000円
(直接経費)
20,000,000円
(間接経費)
6,000,000円

本研究では、匂い感覚に関連する分子、ニューロン、回路構造、そして個体行動について分子遺伝学的に解析することで、嗅覚感度に関する分子基盤の解明を目指している。具体的には、ショウジョウバエを用いた個体ごとの嗅覚に関わる行動パターン測定、行動結果に基づいた個体選別と系統化、そしてそれぞれの個体における嗅覚神経回路の定量を行っている。現在の進行状況について以下に説明する。
1,嗅嗜好性試験、特にビーカー等を用いた「field trap assay」とT-Mazeを用いた「Two-choice assay」を導入し、それらの使用法を習得した。安定的なデータを取得するために、実験時間(朝、夕、夜など)、温度、湿度、明暗など、様々な実験条件を検討した。
2,ショウジョウバエの嗅感覚個性を厳密に調べる目的で、遺伝学的背景を均一化したショウジョウバエ系統を作出中である。遺伝的背景を均一にした系統を用いて、様々なGal4系統やUAS系統の遺伝的背景を整える予定である。
3,少数個体、可能であれば一匹のショウジョウバエにおける遺伝子発現を厳密に解析するための手法の確立を目指して様々な条件検討を行った。定量PCRなどをもちいて、どの程度の微量RNAで再現性良いデータを得られるか、様々な手法、条件を用いて検討した。その結果、ショウジョウバエ一匹の頭部からのRNAのみで安定的にmRNA量を測定することが可能になった。
4,解剖溶液、組織マウント法などを検討することで、ショウジョウバエの嗅覚受容体細胞数を精度よく測定する実験プロトコールを確立した。

ID情報
  • 課題番号 : 18H05369