2010年 - 2012年
中脳ドーパミン系の投射様式とパーキンソン病の発症に関与する神経基盤の解明
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 22500307
- 体系的課題番号
- JP22500307
- 担当区分
- 連携研究者
- 配分額
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- (総額)
- 4,290,000円
- (直接経費)
- 3,300,000円
- (間接経費)
- 990,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究の目的は、実験形態学的な基礎研究において、黒質線条体路、中脳皮質辺縁路、および関連する基底核回路の軸索投射様式を単一細胞の解像度で再構成し、機能的入出力構造の定量的解析によってパーキンソン病の発症に関与する神経基盤についての基礎的知見を得ることである。黒質線条体路においては、単一のドーパミン細胞の軸索は線条体以外にほとんど投射せず、線条体のみに広範囲かつ高密度に分布していることが分かった。また、μオピイオド受容体との二重染色により、多少の指向性はあるものの、単一ドーパミン細胞の軸索は線条体のストリオソーム(パッチ)とマトリックスのコンパートメントに同時に送られることも明らかにされた。このことは、パーキンソン病における黒質ドーパミン細胞の脆弱性と予備力という二面性が説明される。すなわち、パーキンソン病ではドーパミン細胞の7割以上が脱落して初めて発症し、残存するドーパミン細胞においてもなおドーパミンの前駆体(L-dopa)が有効であることが知られているが、この原因として単一のドーパミン細胞の有する広範囲かつ高密度な軸索投射により線条体に何重にも軸索が重なりあっていることが予備力を実現していると考えられた。また、本研究では、線条体から淡蒼球内節、黒質網様帯、淡青外節に投射する経路の解析を行った。この結果、ストリオソームのみならずマトリックスにも直接路(淡蒼球内節/黒質網様帯へ...
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- ID情報
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- 課題番号 : 22500307
- 体系的課題番号 : JP22500307