共同研究・競争的資金等の研究課題

2008年 - 2009年

火山爆発強度の支配メカニズム~桜島ブルカノ式噴火のケーススタディ~

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
  • 三輪 学央

課題番号
08J05514
配分額
(総額)
1,200,000円
(直接経費)
1,200,000円

火山爆発強度の支配メカニズムを理解する目的で、桜島ブルカノ式噴火を例にして火山灰の解析と、簡単な数値計算を行った。当初は5イベントのみを説明する予定であったが、例を増やすために14イベントの爆発を検討した。明らかになった重要な点は、桜島ブルカノ式噴火には前駆BL型地震群発を伴う場合と伴わない場合の二つに分けられ、それぞれで強度支配メカニズムが異なることである。
火山灰の観察と空振強度の比較から次のことが分かった。1)前駆BL型地震群発を伴わない爆発では、新鮮なマグマから抜けて、火道浅部にある古いマグマにトラップされる流体量が多いほど、その後に起こる爆発の強度が強くなる(Miwa et al.,2009)。この場合には、流体を含んだ古いマグマが下からやってきた新しいマグマに熱せられるという火道内プロセスが噴火強度を決める。一方、2)前駆BL型地震群発を伴う爆発では、発泡していないマグマの下に発泡したマグマが底付けされるほど、その後に起こる爆発の空振強度が強くなる。つまり、発泡マグマの底付けという火道内プロセスが噴火強度を決める。1)については昨年度までにモデリングを済ませ、定量的にはまだ議論の余地が残るものの、おおまかに天然の現象を説明できることが分かった。2)については衝撃波管理論により爆発過程をモデリングし、火山灰から得られた火山灰発泡度と観測される空振強度を整合的に説明するためには、火山灰に保存されている気泡の15倍の体積のガスが必要であることがわかった。
これまで、火山噴火強度の支配メカニズムにはガスの振る舞いが重要であると示唆されてきたが、その実態については明らかでなかった。本研究によって、具体的にどのようなガスの振る舞い、メカニズムにより、火山噴火強度が支配されているかが明らかになった。