共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2024年3月

学校における子どもの体温調節能力の発達過程の解明と熱中症予防の教育介入研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)  挑戦的研究(開拓)

課題番号
20K20515
体系的課題番号
JP20K20515
配分額
(総額)
26,000,000円
(直接経費)
20,000,000円
(間接経費)
6,000,000円

R3年度は小学生から中学生までの子どもが暴露されている環境と体水分状態の個人差や季節差を調べる調査を行った。290名程度の児童生徒を対象に,実験1では春および夏に採尿を行って尿比重,尿浸透圧,尿カラーを調べてそれらの関係を解析した。その結果,年齢に関わらず,子どもたちの尿比重や浸透圧は十分な体水分状態基準(それぞれ1.025や800mOsm/kg)と比較して有意に高い値であった。またこれらの値は春に比べて夏に低くなり,夏の方が十分な水分を日ごろから摂取できている可能性が考えられた。
実験2では130名程度の子どもを対象に,7月の1週間iButtonを持って生活してもらい,暴露されている温度湿度環境を解析した。しかし,残念なことに研究機器の操作ミスにより,月曜日から金曜日のデータを損失してしまった。そのため土日の温度暴露環境を解析した。その結果,アンケート調査から得られた各子どもたちの所在地の気象データと比べると,昼間にはやや高い気温に暴露されている傾向であった。その中の数名は40℃を超える環境にいた人もおり(野球の練習をしていた),普段目にする気象情報よりも厳しい環境下で生活している子どもがいることが考えられた。なお詳細はまだ解析の途中である。
これらの調査に加えて,実験室では運動時の発汗量の単一汗腺発汗量や活動汗腺数が子どもと大人で異なるかどうかについても実験を行い,子どもは運動強度の増加に対して発汗量の増加が大人ほど大きくないことが明らかになった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K20515
ID情報
  • 課題番号 : 20K20515
  • 体系的課題番号 : JP20K20515