2020年4月 - 2023年3月
社会学における認識論的再帰性:知識産出の前提としてのコミュニケーション
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
本研究は、主にアルフレート・シュッツやトーマス・ルックマンらの現象学的社会理論に基づいて、社会学の「認識論的再帰性(epistemological reflexivity)」に関する問題の整理と新たな視座の構築を目指している。今年度は「認識論的再帰性」に関連する個別の問題系について検討し、発表を行った。具体的には、社会科学における価値判断と価値自由の問題、認識的相対主義の問題、研究者と研究対象者の「対話」をめぐる問題などを扱った。これらの問題はいずれも社会科学とその研究対象との再帰的関係から生じる問題であり、これを現象学的社会理論の立場から分析した。また、COVID-19危機を現象学的社会学の視座からどのように分析できるかの検討を通じて、シュッツの知的伝統の理論的可能性についても考察した。昨年度は主に基礎的な文献の検討と概念整理に取り組んだのに対し、本年度はそれを応用する形で理論的問題の検討に取り組んだ。本年度は、2020年度にコロナ禍で延期されていた学会が集中的に開催されたことも相俟って、国際学会での発表が中心となった。
研究の実施状況は概ね順調であると言えるが、上記の諸問題はいずれも社会科学認識論における根本問題であり、そこに研究上のブレイクスルーをもたらすには継続的な研究が必要である。特に(認識的)相対主義の問題に十全に取り組むには、哲学・社会学・人類学などの分野の文献を網羅的に検討することが不可欠であり、次年度も引き続き検討を進めていく。
研究の実施状況は概ね順調であると言えるが、上記の諸問題はいずれも社会科学認識論における根本問題であり、そこに研究上のブレイクスルーをもたらすには継続的な研究が必要である。特に(認識的)相対主義の問題に十全に取り組むには、哲学・社会学・人類学などの分野の文献を網羅的に検討することが不可欠であり、次年度も引き続き検討を進めていく。
- ID情報
-
- 課題番号 : 20J00674
- 体系的課題番号 : JP20J00674
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
2-
成蹊大学一般研究報告 53(2) 1-19 2022年5月
-
社会学史研究 43 105-122 2021年12月 査読有り
講演・口頭発表等
3-
第95回日本社会学会大会 2022年11月12日
-
日本社会学理論学会第17回大会 2022年9月3日
-
第15回日本社会学理論学会 2020年9月5日