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2012年7月

【最新疾患モデルと病態解明、創薬応用研究、細胞医薬創製研究の最前線 最新疾患モデル動物、ヒト化マウス、モデル細胞、ES・iPS細胞を利用した病態解明から創薬まで】 (第2章)各種病態モデルと創薬研究 腫瘍性疾患 ホルモン療法耐性前立腺がんモデルマウスを用いた前立腺がんの増殖亢進の分子メカニズムの解明および創薬応用研究

遺伝子医学MOOK
  • 松本 高広
  • ,
  • 加藤 茂明

22
開始ページ
242
終了ページ
248
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)メディカルドゥ

前立腺がんの多くは男性ホルモン感受性がんであり,抗アンドロゲン剤などによる男性ホルモン遮断療法が有効である。しかしながら,こうしたホルモン療法は初期の段階では有効であるが,ほとんどの患者でアンドロゲン依存性の消失にやがて至る例が大多数を占める。われわれは,抗アンドロゲン剤耐性前立腺がんにおいて高頻度で見出されるAR点変異(T877A)を前立腺のみに導入した遺伝子改変マウスを作出し,AR点変異体が抗アンドロゲン剤や他種ステロイドホルモンへの応答能を獲得した結果,前立腺がんの増殖が促されることを実証した。また,この前立腺がんモデル動物を用いたスクリーニングにより,Wnt-5aががん増悪因子としてのホルモン療法抵抗性前立腺がんへの進展に寄与している可能性が示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1349-2527
  • 医中誌Web ID : 2013013356

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