共同研究・競争的資金等の研究課題

2015年4月 - 2017年3月

卵子幹細胞ニッチにおけるNodalシグナル調節機構の加齢変化と胎児疾患

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
15H01511
配分額
(総額)
6,760,000円
(直接経費)
5,200,000円
(間接経費)
1,560,000円

胎児の幹細胞である卵子は、母体の加齢と共に「卵子の質」が低下し、染色体異常などの胎児疾患や流産のリスクを引き起こすことが知られている。しかし、母体の老化と胎児の疾患原理の詳細は依然不明なままである。
マウス卵巣において、卵子は顆粒膜組織にゆりかごのように取り巻かれて、顆粒膜組織によってBMPやFGFシグナルが卵子に供給され、卵子の成熟を制御することが知られている。
申請者はこれまでに、TGF-bスーパーファミリーに属するNodalシグナルの構成因子であるリガンドNodal、転写因子FoxH1が、卵子と顆粒膜組織に発現していることを発見した。Nodalシグナルの過剰/不足はマウス胎児発生期の左右・前後軸形成や、原腸陥入期やES/EpiStem細胞の細胞分化の異常を引き起こすことが知られており、Nodalシグナルを一定に保つということは正常な分化能、パターニングを維持するために必須である。さらに、Cre トランスジェニック(Tg)マウスを用いて、卵子、顆粒膜特異的にNodalとFoxH1それぞれのコンディショナルノックアウト(cKO)を行った結果、卵子は正常に成熟、受精するが、胎児期の卵割期から着床前胚にかけて染色体分配不全、細胞分化の異常という胎児疾患を起こすことを明らかにした。加えて、卵巣におけるNodalシグナル標的因子のスクリーニングを行い、現在までにNodalシグナルの機能の一部を担う遺伝子を同定した。以上より、若年卵巣において、Nodalシグナルはそれらの遺伝子を介して、胎児発生期の発生を制御していることが明らかにした。

ID情報
  • 課題番号 : 15H01511