共同研究・競争的資金等の研究課題

2010年 - 2011年

マウス胚における前後軸の起源とその決定機構

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
22116508
体系的課題番号
JP22116508
配分額
(総額)
17,940,000円
(直接経費)
13,800,000円
(間接経費)
4,140,000円

我々ヒトやマウスといった哺乳類は、極性のない丸い受精卵から発生を開始し、極性をもった個体として産まれる。つまり、哺乳類は発生段階において極性を獲得していると考えられている。では、いつどのようにして哺乳類は極性を獲得するのだろうか?
そこで、哺乳類胚が極性を獲得する機構を解明すべく、第一段階として、マウス胚において最も早期に形成される前後軸に着目した。
マウス胚の前後軸に関する研究は、遠位臓側内胚葉 (DVE, Distal Visceral Endoderm) 標識遺伝子であるHexを中心に解析が進められてきた。受精後5.5日胚の遠位端に様々な遺伝子が発現する細胞群DVEが誘導される。DVEは5.7日胚で将来の前側へ細胞移動し、前側臓側内胚葉(AVE, Anterior Visceral Eendoderm)と名称を変える。そして、胚体部分に頭部誘導シグナルを送ることで、前後軸が形成されるとされてきた。
しかし、DVE標識遺伝子の一つであるLefty1が5.5日胚以前より一部の細胞で発現を開始していることを見出し、Lefty1について詳細な細胞系譜解析とDVE細胞の遺伝的除去実験の結果、当該分野の定説であった前後軸形成モデルを覆し、①DVEは4.5日胚で形成していること、②DVEとAVEは異なる細胞系譜であること、③DVEは遅れて生じるAVEを前方へガイドしている、という新たな前後軸形成モデルを提唱するに至った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-22116508
ID情報
  • 課題番号 : 22116508
  • 体系的課題番号 : JP22116508