共同研究・競争的資金等の研究課題

2009年 - 2010年

マウス胚における前後軸の起源

日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援  研究活動スタート支援

課題番号
21870022
体系的課題番号
JP21870022
配分額
(総額)
2,756,000円
(直接経費)
2,120,000円
(間接経費)
636,000円

我々ヒトやマウスといった哺乳類は、極性がない受精卵から発生を開始し、極性を持った個体として産生される。つまり、哺乳類は発生段階において極性を獲得すると考えられている。では、いつどのようにして哺乳類は極性を獲得するのだろうか?
申請者は哺乳類胚が極性を獲得する機構を解明すべく、第一段階として、マウス胚において一番早期に形成され、その他の背腹・左右軸の形成の基となる前後軸に着目した。そしてこれまでに、受精後5.5日胚であると考えられてきた前後軸の起源は、少なくとも受精後4.5日胚におけるLefty1発現細胞まで遡れることを発見した。具体的には、胚の前後方向を決定する細胞群DVE(Distal Visceral Endoderm,遠位臓側内胚葉)標識遺伝子であるLefty1が、胚盤胞の一部の細胞で発現していることを発見した。
今年度、若手スタートアップの研究支援を受け、実験を行った結果、さらに詳細な細胞系譜の解析により、これまで受精後5.5日で形成されると考えられてきたDVEは、少なくとも受精後4.5日胚におけるLefty1発現細胞まで遡ることができること、加えて、これまで同じ細胞系譜と考えられてきたDVEとAVE(Anterior Visceral Endoderm,前側臓側内胚葉)が実は異なる細胞系譜であることを明らかにした。これらは、前後軸形成の従来のモデルを覆す世界的な発見である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21870022
ID情報
  • 課題番号 : 21870022
  • 体系的課題番号 : JP21870022