2021年4月 - 2025年3月
宇宙論的背景重力波による超高エネルギー物理の開拓
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
2021年度は、修正重力理論の一種であり最も広い理論空間を持つ縮退高階微分スカラー・テンソル(DHOST)理論の、ボルツマンソルバーへの実装を完了しました。これを用い、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の観測データに基づく、DHOST 理論の理論パラメータへの制限を行いました。本研究で開発したボルツマンソルバーは、世界で公開されているコードの中で、最も一般的な重力理論を扱えるソルバーとなっています。また、これを応用し、一般相対論を拡張したにも関わらず、一般相対論と同じく2つの自由度しか持たない特殊なスカラー・テンソル理論(2DoF理論)も実装し、そのモデルパラメータへの制限も行いました。それぞれの論文は現在執筆中で、近日中に公開される予定です。
宇宙論的位相欠陥に関しては、ダークセクターで生成されるモノポールが現実世界での宇宙紐の構造に影響を与え、局所的にはモノポールに見え遠方からは宇宙紐に見える特殊な宇宙紐に関する研究を行いました。単純な大統一理論ではモノポールの大量生成が問題となり、これを回避するためにインフレーション機構が必要となります。しかし、宇宙紐に閉じ込められたモノポールであれば、現実の宇宙に対する影響を抑えることができ、ある程度の存在が許容されます。このため、大統一理論やその有効理論において、理論の許容される範囲が広がる可能性があります。
また、ここで用いた申請者自身の開発による場の理論的シミュレーションコード自体の開発も進め、京都大学基礎物理学研究所のスーパーコンピュータ Yukawa-21 上での運用を想定し、OpenMP と MPI を用いたハイブリッド並列化を行いました。その結果、Yukawa-21 上でのベンチマークテストで、おおよそ想定した通りの計算時間と精度を達成していることを確認しました。
宇宙論的位相欠陥に関しては、ダークセクターで生成されるモノポールが現実世界での宇宙紐の構造に影響を与え、局所的にはモノポールに見え遠方からは宇宙紐に見える特殊な宇宙紐に関する研究を行いました。単純な大統一理論ではモノポールの大量生成が問題となり、これを回避するためにインフレーション機構が必要となります。しかし、宇宙紐に閉じ込められたモノポールであれば、現実の宇宙に対する影響を抑えることができ、ある程度の存在が許容されます。このため、大統一理論やその有効理論において、理論の許容される範囲が広がる可能性があります。
また、ここで用いた申請者自身の開発による場の理論的シミュレーションコード自体の開発も進め、京都大学基礎物理学研究所のスーパーコンピュータ Yukawa-21 上での運用を想定し、OpenMP と MPI を用いたハイブリッド並列化を行いました。その結果、Yukawa-21 上でのベンチマークテストで、おおよそ想定した通りの計算時間と精度を達成していることを確認しました。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K03559
- 体系的課題番号 : JP21K03559
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
6-
Progress of Theoretical and Experimental Physics 2023(7) 2023年4月27日 査読有り
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Journal of Cosmology and Astroparticle Physics 2022(10) 035-035 2022年10月1日 査読有り筆頭著者
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Journal of Cosmology and Astroparticle Physics 2022(07) 040-040 2022年7月1日 査読有り筆頭著者
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Journal of High Energy Physics 2021(12) 122-122 2021年12月17日 査読有り筆頭著者
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Journal of High Energy Physics 2021(3) 021-021 2021年3月2日 査読有り筆頭著者
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Journal of Cosmology and Astroparticle Physics 2021(03) 047-047 2021年3月1日 査読有り