共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

魚類成長-回遊モデルを用いたカタクチイワシの生活史戦略の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H03956
体系的課題番号
JP18H03956
配分額
(総額)
44,200,000円
(直接経費)
34,000,000円
(間接経費)
10,200,000円
資金種別
競争的資金

カタクチイワシは「呼吸代謝に関する水温依存性、体重依存性、遊泳速度依存性が異なる個体が存在するために、異なる生息海域、回遊海域を選択している」、そして、カタクチイワシ属は「種によって呼吸代謝に関する水温依存性、体重依存性、遊泳速度依存性が異なるために、それぞれの種の生息海域、回遊経路の特徴が異なっている」という仮説を検証し、世界各地に生息するカタクチイワシ属の生活史戦略を回遊に伴うエネルギーバランスの側面から解明することを目的とした。
平成30年度は、カタクチイワシの遊泳に伴う呼吸代謝とその水温依存性、体重依存性、遊泳速度依存性をスタミナトンネル水槽(閉鎖型循環水槽)を用いて直接測定する実験系を確立するため、5Lのスタミナトンネル水槽を購入し、システムの立ち上げを行った。水槽内の水温をモニターする水温計にノイズ信号が発生する問題に直面したが、水槽内に水流を発生させるモーターにかかわるノイズが原因であることを突き止め、対策を講じることができた。また、6~7月には唐津市水産業活性化支援センターにてカタクチイワシを用いた呼吸代謝実験を実施し、実験系を確立した。ただし、カタクチイワシは、接触などによって鱗が剥がれやすく、また周囲の環境変化に敏感に応答するため、水槽内での実験によるストレスが大きいことが判明した。11~12月には、瀬戸内海区水産研究所伯方島庁舎にて、スタミナ水槽に複数匹のカタクチイワシを入れることでストレスを下げた状態を実現し、呼吸代謝実験を実施し、呼吸代謝データを取得した。
また、東シナ海のカタクチイワシ仔稚魚を対象に開発したモデルの改良方針を検討し、全生活史を表現できるモデルを開発をせず、成魚になるまでの回遊過程に焦点を絞ったモデル開発を実施する方針を立てた。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03956/
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03956
ID情報
  • 課題番号 : 18H03956
  • 体系的課題番号 : JP18H03956